— PAIRING
肉料理と燗酒
脂の多い料理には、旨味豊かな燗酒が最良の相棒
— RECOMMENDED COMBINATIONS
SAKE
神亀 純米酒
× FOOD
豚の角煮
脂を旨味が溶かし、互いが深まる
SAKE
天の戸 美稲
× FOOD
牛すき焼き
甘い割り下と純米の旨みが一体に
SAKE
大七 生酛純米
× FOOD
鴨鍋
生酛の複雑な酸が鴨の脂を洗い流す
なぜ燗酒は肉に合うのか
豚の角煮、牛肉の煮込み、鴨料理——脂の多い肉料理と熱燗は、最も日本酒らしいペアリングの一つだ。温めた酒の旨味と酸が、肉の脂を「流して」くれる感覚がある。これは料理学的にも説明できる。加熱した酒の有機酸が脂肪の分解を促進し、口をリセットする機能を持つためだ。
生酛・山廃が特に合う理由
伝統的な「生酛(きもと)」「山廃(やまはい)」造りの純米酒は、複雑な乳酸や有機酸を持つ。この酸は肉の脂を切る効果が高く、重い料理を食べ続けても飽きない。また燗にすることでこの旨味と酸が溶け合い、最適な温度である「ぬる燗(40℃前後)」が肉料理には最もなじむ。
すき焼きと純米酒
すき焼きの甘い割り下には、適度な甘みと旨味を持つ純米酒が合う。辛すぎる酒は割り下の甘さと衝突し、バランスが崩れる。アミノ酸度が高めの旨口純米を、人肌燗(37℃)で合わせると、卵と肉と酒の三位一体が実現する。
焼き鳥・炭火焼との燗酒
炭火で焼いた鶏肉の香ばしさと、熱燗の香りは共鳴する。塩焼きには淡麗の純米燗、タレ焼きには旨味豊かな純米の燗が合う。とくにレバーや砂肝など内臓系には、クセのある山廃の燗酒がよく合い、複雑な旨味同士がぶつかって深みが増す。
洋食との意外な相性
フレンチのポトフやビーフシチューにも燗酒は合う。古酒(熟成酒)をやや高めの温度(上燗45℃)で合わせると、ワインとは異なる深みのあるペアリングが生まれる。洋食と日本酒の組み合わせは、まだ探求の余地が大きい領域だ。
— OTHER PAIRINGS