— COLUMN / 地域
灘五郷——日本最大の酒産地を歩く
宮水と山田錦が生む「男酒」の聖地。菊正宗・白鶴・剣菱の蔵が連なる灘を訪ねる。
2026年3月9日
兵庫県神戸市の「灘五郷」は、日本の清酒生産量の約3割を占める日本最大の酒産地だ。西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷の5つの郷が連なるこの地が、日本酒の大量生産と品質向上の両立を長年牽引してきた。
宮水という奇跡
灘の蔵が使う「宮水(みやみず)」は、西宮市に湧く硬水だ。カリウム・リン酸が豊富で発酵を力強く促し、キレのある辛口の「男酒」を生む。六甲山の伏流水が砂礫層を通過して湧き出すこの水は、江戸時代に「宮水」の名で発見され、灘の大発展をもたらした。
山田錦の産地として
灘の蔵は良質な「山田錦」の最大の購入者でもある。東播磨(加東市・三木市周辺)で育った「特A地区」の山田錦は、大吟醸造りに最も適した米として高い評価を受ける。米と水の産地が近い——これが灘の地力の源だ。
蔵見学と利き酒
菊正宗・白鶴・剣菱・神戸酒心館(福寿)など、多くの蔵が見学施設を開放している。御影・住吉エリアの酒蔵通りは徒歩で回れる範囲にあり、半日で複数の蔵を巡ることができる。灘の酒と神戸の食(牛肉・魚介・中華)を合わせて味わう旅は、酒飲みにとって理想的な体験だ。
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