— COLUMN / 地域
伏見の女酒——京都の水が生む柔らかな世界
御香水に育まれた伏見清酒の歴史と、現代に続く京都の蔵元を訪ねる。
2026年3月11日
京都・伏見区は日本を代表する酒どころの一つだ。「伏見の女酒」と呼ばれるやわらかく口当たりの良い酒は、伏見に湧く名水「御香水(ごこうすい)」なしには語れない。
御香水という奇跡の水
伏見に湧く御香水は、名水百選にも選ばれた軟水だ。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが少ないこの水は、発酵をゆっくりと進め、やわらかくまろやかな酒質を生み出す。灘の「男酒(硬水)」に対し、伏見の「女酒(軟水)」という対比は、日本酒の多様性を象徴するものだ。
伏見の歴史
伏見は豊臣秀吉が城下町として整備した地で、江戸時代に酒造業が発展した。幕末には坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」もこの地にある。淀川の水運を活かして江戸・大阪に酒を送った伏見の酒は、「上方酒」として全国に知られた。
月桂冠・黄桜・齊藤酒造
伏見を代表する蔵の中でも、月桂冠は最大手として日本酒の普及に大きな役割を果たしてきた。齊藤酒造が醸す「英勲」は、幻の酒米「祝(いわい)」を使った上品な吟醸酒で知られる。街並みが残る「伏見の酒蔵通り」を歩きながら、蔵見学と利き酒を楽しむのが、伏見観光の最も贅沢な過ごし方だ。
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